この声は届くか

スマホの音声入力でどこまでブログが書けるのかの実験としてはじめます。途中で変わるかもしれません。

子どもの頃の想いを再び

口述筆記ということを、私は子どもの頃からずっとやりたいと思っていたんです。 口述筆記に限定したわけじゃないんですけれども自分の頭の中にあるものをそのままの形で表に出したい──子どもの頃、そんなふうに思ってました。
この想い、実は今でもあまり変わってません。たとえば 朝起きたとき、夢を覚えています。その夢を、自分が見たそのままの形で映像作品にできたらむちゃくちゃ面白いだろうなと、そんなふうによく思うんですね。あるいは音楽。自分の頭の中に流れてるメロディー、リフ、アレンジまで含めて、全部そのまんま再現できたら、これはものすごいヒット曲ができるんじゃないかなって思うわけです。
子どもの頃も、自分の頭の中に浮かんでくる物語がそのまま文字になったら、と思うとわくわくしました。小説のシーンなんていうのはしょっちゅう頭の中に浮かんでましたからね。こういうシーンをうまくつなげることができたら、それはきっと面白い物語になると思ったんですね。
ただ、それを原稿用紙、あるいはレポート用紙でも何でもいいんですけれども、紙に書こうとすると、全然それがうまく表現できない。頭の中では、こんなふうな物語が、こんなふうになって流れてるんだというのがあっても、紙に書こうと思った瞬間にどんどん消えてしまうんですね。
だから、それならいっそ、しゃべった方がいいんじゃないのっていうふうに思いました。中学生の頃です。兄がテープレコーダーを買って、テープレコーダーというものが初めて自分の手の届くところに来ました。これを使って、しゃべる。自分の頭の中にある物語をしゃべる。そしてそのしゃべったやつを再生しながら、それを筆記すればいいんじゃないか。そうすれば原稿用紙を目の前にしたときの筆の進まないもどかしさが消えるんじゃないかと思ったんですね。
で、 善は急げとやってみました。ところがダメなんです。まず、録音音声って、聞くとこっぱずかしいですよね。自分の声って、機械が再生すると、とんでもなく下手に聞こえる。おかしいんですよ。もう本当に聞いてるだけでいたたまれなくなってしまう。とても文字を起こすどころじゃない。さらに文字起こししてみても、とてもとても自分の頭の中にある物語のシーンとは噛み合わない。ちがうんですよね。全然ちがったものができてしまう。ああ、これ、ダメだと思って諦めました。
文を書くというのはそのぐらいに難しいことです。実際、練習がいるんですね。私は若い頃に編集者として学習参考書と呼ばれる問題集の文を書く仕事をやってました。そこで、徹底的に文字を書くということを学びました。やがてワープロの時代になって自分の頭の中にあることを割とそのままの形で書き起こせるようになっていきました。しかしそれでも、自分の頭の中にあるものと目の前に現れてくる文章は全然ちがうんですね。
そして最近になって音声入力というものが発達してきてました。これは中学生の昔にやろうとしたことがうまくできるんじゃないの、ひょっとしたらうまくいくんじゃないの、というようなことを思い始めたんですね。だからそういう実験の一つとして、こういうブログも始めてみようかなと思ったところです。
今日はこんなところにしましょう。